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 ネイタルの判断で

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■ 最近の研究で・・・

 私は、長い間の研究不足で、ウィリアム・リリーの体質計算こそが、ネイタル占星術の入り口だと考えていましたが、どうもそれは違う、それはリリーの思い込みに過ぎないという、結論に達しました。

 私を信じて追随されていらっしゃる方々には、多大なご迷惑をかけてしまいました。お詫び申し上げます。私たちは、幾つかのネイタルのテクストを読めるわけなのですが、その中のシドンのドロセウスが著した『Carmen Astrologicum 』と マーシャー・アラーがそれを基に著した『Book of Aristotel』 が、参照すべきテクストであると分かってきました。まだまだ、研究が進んでいない。分からない不明なテクニックも多く、一朝一夕には理解ができません。と書いてきたのですが、、、

 さらに、最近発刊された『The Astrology of Sahl B. Bishr』 という書籍には、どうも、『Book of Aristotel 』の著作者が、マーシャー・ラーではないという衝撃的なことが書かれていました。これは、大変な事態です。でも、確かに、セクトの説明を間違えているというか、正しく伝わっていません。マーシャー・ラーとあろう人が、間違えるのか? そうも思えます。
 

 これを読み終えるまでは、ネイタルは語れないだろうと、考えたわけです。ですから、ネイタルのHPを書くのを中断します。

ですから、下記の事柄は、勉強前の事柄として、参考程度に読んでください。


■ 気質、体質

 もともと、人の仕草、振舞い方、字の書き方や癖、茶碗の持ち方などは、親と離れていてもそっくりとなっていきます。ある一つの動作が、「あれっ、これってお母さんの(お父さんの)仕草とそっくり!」と驚くことが30代、40代に入ると必ず一つや二つある。離婚した夫に、息子が似てきます。これは、もう片親になっても見つかります。これは連綿と受け継がれてきた縦の系譜、遺伝的にもたらされるもの、体質であり、どうしようもありません。

 伝統的な占星術ではこれを体質として、とにかくベースに置くべき物として観察します。たぶん、そんなことはあり得ません。

 このベースの上に、その人の感じ方や考え方が乗っていると考えていいです。自分を知りたかったら、親を見よ、ですね。西洋占星術では体質と気質はほぼ同義に捉えていて、ComplexionTemperament という言葉で表しています。現代語と少し意味は違っていて、顔色という意味は少なく、体全体の様相・気質という意味を持っています。

■ 特質・マナー

 人の、他の人に対する、あるいは置かれている状況に対する感じ方や考え方は、生まれ出た環境や親の生活態度で随分違ってくるものです。また、その人自身の受けた教育と自分自身の読んだ本や接する人によって、あるいはもともと持って生まれ出た潜在的な意識によっても様々に変化するものです。住む国によって、変わってしまうのです。凄いですね。日本に住めば、考え方がどんどん日本人的になってくるのです。生まれ故郷に帰ると、逆カルチャーショックと呼ぶようなことが、実際に起きるそうです。接する相手によっても変わっていきます。年代を経るごとにも、本人の意識する方向や、気付きによっても変化するものです。

 このことは、Manners (特質・マナーと呼ばれる)。下の図のように解釈してきました。

気質ピラミッド

 このように変化していくものを古代の占星術はどのように観察してきたのでしょうか?

  リリーのC.Aによると、月のプログレスによる、タームやアスペクトの変化を頼って見出そうとしています。

 古代のプライマリー・ディレクションの技術では、アセンダントを通過するタームの惑星で解釈しています。

 一方、親には無かったものが、どうしようもない個性として発現することもあります。これも、仕草や考え方の傾向として出ます。また、性格など、相対する人により、あるいは年代によりどんどん変わっていくものに対して、終生変わりなく付きまとうものが体質・気質です。

 自分が転生によって過去の記憶として受け継いでいるもの、または、今生の課題として与えられる問題を含むのが特質・マナーです。これらは、時として親とは関係無いものもあります。 更に、社会生活を営んで行く上で、国家の傾向と共に身に付いてしまう、社会の考え方の影響、地域の考え方、会社や学校や組織や団体の考え方も、その人の一部になります。これが横の系譜、本人の特質・マナーです。

■ 特質・マナーの観察

 西洋占星術で観察するマナーは、モダンな占星術で行っている方法とは随分違っています。『星の階梯 I』で書いたように、太陽に頼らず、ASCのロードと、水星を使っていきます。

 一番目に、その人の特質・マナーを示す水星を探しに行きます。アセンダントの中に惑星があれば、それも頼ります。 何故なら、生まれたという意味と、東から星が昇る (生まれる) ということを同期させるのが占星術だからです。太陽がMCにあっても、それは「生まれた」とは言わない。ネイタルからすれば、既に生まれていた惑星の一つです。水星と、アセンダントのロード、そして、アセンダントに入っている惑星を頼って観察します。

 そのアセンダントには、ホール・サイン・ハウスで観察するので、インターセプトされたものはありません。そのディスポジターも観察されます。リセプションの有る無しは重要なことになります。

☆☆  複数の惑星がアセンダントに入っていることもある。どうするのでしょうか?

 全部、特質・マナーを示す惑星として、ミックスさせます。アセンダントのカスプが蠍で、そこに金星が入っていて、2ハウスとなった射手に火星が入っていてASCに近い。影響を与えるのか?

 1時間以内にASCに達するなら、多大な影響を与えます。しかも、やがて影響します。

☆☆  常にアセンダントに惑星が入っているとは限りません。だったら、どうするのでしょう?

 次に観察するのは、水星やASCのロードと強くコンジャンクションした惑星や、強くアスペクトしている惑星こそが特質・マナーを示すとされます。そして、そのディスポジターです。

 例えば、水星には木星が、ASCのロードには火星が強くアスペクトしていて、木星の方は魚に入っていて、火星の方は水瓶にあるとすると、木星のエッセンシャル・ディグニティーが強いので、木星の影響が強くその人には出ると観察します。そのディスポジターも木星ですから、とても強い木星の影響を受けることになります。リセプションだからです。お気づきのように、同じ日に生まれた人でも、アセンダントに別の惑星のある人は、この木星の影響が無い。

☆☆  アセンダントにも惑星が無く、月や水星に強くアスペクトする惑星も無い。当然、そういうこともあります。どうするのでしょう?

 特質・マナーを表す惑星を更に探して、次はアセンダントのロードとそのディスポジターを頼ることになります。ここまでで3段階になりました。

 ここで、アセンダントのディスポジターが、アセンダントのロードとアスペクトしていなかったら、、、

☆☆  水星とASCのロードの置かれている場所のアルムーテンを出してみて、最もエッセンシャル・ディグニティーの高い惑星が、その人の特質・マナーを示す惑星となります。もちろん、そうやって選ばれた惑星のディスポジターも観察の対象になります。こういう面倒な手続きをとってきました。

 アルムーテンという言葉や、エッセンシャル・ディグニティーという言葉、ディスポジター、リセプションの意味が分からないと意味不明になります。アスペクトすると言っても、牡羊の29度にある惑星と、牡牛の1度にある惑星はコンジャンクションしません。その辺もホラリーを学んで押さえておかないといけないことです。

 何故そこまで水星とASCのロードを頼るのかというと、この二つは、精神の別々の面の表現者であるとされるからです。アセンダントのルーラーよりも先に水星を頼ることにしたのは、経験則なのでしょう。

 特に水星は、水星自身がアセンダントに入っていたときなどに注意を要します。というのは、水星は他の惑星の力を表に出していく作用を持っているからです。強くコンジャンクションや強いアスペクトをしていれば、水星はその惑星の身代わりのように作用します。

☆☆  又、水星やASCのロードの置かれている位置のアルムーテンが、その人の特質・マナーを示すことになります。

 アセンダントに水星が単独で、どの惑星ともアスペクトせず、水星単独で解釈できるのは、アセンダントが乙女や双子で、そのアセンダントに水星がポツンと置かれているときだけです。そんなことは、ほぼありません。

●体質と気質を観察してから、特質・マナーを観察するのは、ベースを大事にしているからです。同じ土星の特質が強い人と言っても、粘液質の上に乗る土星と、胆汁質の上に乗る土星は違ってくるということです。一度、このような方法で他の人を観察してみてください。気質が旨く計算できなくても、何となくの太陽星座占いよりも、よほどしっくり来るはずです。

●私たちがよく知っている人は、私たちと共にその地域に長い間住んでいて深い面識のある、特定の人だけでしょう。その人の書く文章や、何気ない日常会話の中に特質が出てきます。だから、これらの観察は、やはり身近な人から始めていくことが実験の成果を見届けられることになります。

 それでも多くの人は、自分を知るという目的のために、自分探しの一環として西洋占星術師に意見を求めます。体質と気質から、そこに含まれている命題を見極めることはできますが、手助けをすることはできません。自分を改革していくのは、やはり、自分でしかないのです。また、特質を含むゆえに、自分自身を知る努力も、自分の特質です。魂の本質に迫る努力は、これも自分自身でしかできません。西洋占星術は、客観的事実を寄せ集めてくれるだけで、あなたの本当に知りたい自分というのは、直接魂に触れることでしか叶いません。

 これらの特質・マナーは、気質の上に把握され、どのようにチャートの判断に生かされるのであしょう。それは、別のお楽しみです。

 

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