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◆ 西洋占星術の胎動 と 理論的背景● サインのロード サインのロードは、本質を請け負うべく7つの惑星に振り分けられて誕生しました。その配置は曜日を決定できるような並べられ方をしていて、海王星日や天王星日を差し挟むことができません。一週間168時間は、9では、分けきれないのです。 もし、外惑星をも振り分けるのであれば、当然、七曜日では無く、九曜日に世界中のカレンダーを整えなければいけないのです。そして、天球の数を九つにし、コンバストをする惑星を火星に整え直さなくてはいけません。中央になる惑星が変わるからです。 そのような理論が背景に在るとも知らず、適当に外惑星達をお手軽に西洋占星術の中に入れ込むとは、なんと浅はかなことでしょう。知らないということは、そこでは罪です。助かる方法はたった一つ、それら外惑星を使う占星術は、新聞のコラムや雑誌のコラムに楽しい今週や今月の占いを書くためのベースになるものと心得る事です。 時間の支配星をもどうしても外惑星を含めて考えたい・・・ 九つに振り分けるのであれば、まったく別の体系が必要となります。 ● 「星を読むことができるとしたら、それを書いたのは誰?」 昔の占星家の偽らざるスタンス 13世紀のイタリアの占星家ボナタスは、占星術師に質問をするカレント(クライアント)にも神に祈れと忠告します。これは、占星術師はカレントよりも深く祈っていて当たり前だと言外に述べているようなものです。
17世紀のイギリスの占星家ウィリアム・リリーも、学生たちへの言葉に、まず始めに神に祈れと忠告します。神に祈らなければ判断を間違えるからともアドバイスします。ホラリー占星術においては、明らかに祈るという行為を勧めるので宗教と言えなくもありません。実際、生活を正せば正す程、読み解きやすいチャートが目の前に現れるものです。でも、占星術で星の言葉を読み取ることを行っている人々は、占星術は宗教的な行為とは言えず、宗教とは何の関係も無いと考えていることがほとんどでしょう。
星の位置の表出だけを問題にすると、何も見えてきません。 すると、どうやって考えても、偉大な存在に戻ってきてしまいます。 占星術が宗教そのものであるというつもりは、まったくありません。西洋占星術には、宗教的な概念が様々な形で入り込んでいると捉えざるをえないのです。 「Kuni. Kawachiは西洋占星術を宗教にしようとしている!」 そういう目で捉えると、そう捉えられてしまうくらい危うい領域に入り込んで話をしているのは充分わきまえているつもりです。 「もし占星術が言語であって、私がそれを読むことができるのならば、誰が、あるいは何が、星を使って書いているのでしょうか?」 ● スピリチャアルなもの 私に言わせるなら、スピリチュアルなものこそ、精神世界のものであり、信仰的・宗教的なものです。 現時点で、多くの占星術は更に発展させようとしてバックボーンの構築に入っています。名前の通り「スピリチュアル占星術」というものさえあります。その指し示すものは、占星術のバックボーンにある精神性を指し示すものではなく、まだまだ、その人のスピリチャルな部分をいじります、というようなニュアンスで使われています。でも、スピリチュアルこそ、形を変えた現代の信仰であり、宗教なのです。 スピリチュアル系の人達は一様に高い精神世界を認め、ある段階からは、高い霊的な存在をも認めています。この世のものでは無い存在を認める段階から、他の人が何と言おうと、既に信仰的・宗教的な世界に入り込んでいるものなのなのです。それを信仰の対象にするかしないかは別にして、存在を認めた段階で精神は高揚し始めます。チャネリングもしかり、宗教の世界の入り口にある考え方に違いはないのです。チャネリングを基に成り立つサビアン西洋占星術等も、明らかに霊的な世界を認める行為でしょう。そうでは無いと、言いきれるでしょうか? 占星術全体の背景となる哲学なり、思想なり、精神性なり、宗教性の検討は、再考が始まったばかりです。再検討するには、まだまだ長い年月がかかるでしょう。そんなに簡単な作業ではないはずです。西洋占星術の天球は多神教の世界をそのまま引き継いでもいます。 ■ 精神性 さて、「星を読むことができるとしたら、それを書いたのは誰?」 この問いに対する答えは、幾つか存在します。 私自身はホラリー西洋占星術を学ぶまで、全く無神論者に近いようなものでした。信じさせてくれる事象が無いことには、信じられないからです。そういう瞬間に一生のうちに巡り合えたらいいな、ぐらいの感覚でいました。 一方、唯識論という考え方に頼る欧米の西洋占星術研究家も、たくさんいらっしゃいます。こちらの論の方が、自分の心が世の中を作り出しているという考え方であり、宗教的な感覚とかけ離れているように思えます。考え方としては「引き寄せの法則」等と似ていて、というか、そっくり同じものなので考え易い論理です。ですから、バックボーンが必要な方、外部に自信を持って西洋占星術を行っていると言える、言いたい人には何がしかが必要なのです。 神ではなく、悪魔がチャートを作り出しているという理論も出てくるかもしれません。多くの占い師の方々には無用な議論でしょうけれども、世間一般に分かり易い考え方の方が良いに決まっています。今、何らかの解明が占星術に要求されるとすれば、西洋占星術を支えてくれる、精神性であり、宗教性であり、哲学です。それらの考えは、まだ体系的に構築されていません。それをやり遂げるのは、あなたかもしれません。 我々に課せられた疑問は、まだまだあります。 ● 西洋占星術は自然科学的でしょうか ● 占星術は唯識論という世界観に、最も近いもの ■ 西洋占星術は、自然科学とは全く別世界のものです 西洋占星術は哲学的であり、宗教性を帯びているものであり、精神性を最大限持つものです。 その範疇に自然科学は入って行けません。 自然科学的な視点は持っています。 でも、自然科学と相容れない要素を多々持ち過ぎています。 ネイタル占星術(誕生に基づく占星術)は、誕生時間を使っているので自然科学的に見えます。しかし、自然科学で認める誕生とは、DNA確定(受胎)の瞬間です。 それに対して西洋占星術やインド占星術でも、使っているのは子供が生まれる瞬間、最初の呼吸をした時間です。これは、どうあがいても自然科学的な誕生時間とは違っています。出生時間というのは、お医者さんの都合であったり、帝王切開によってであったりして、かなり人為的に左右されるものでありながら、それでも、占星術はこの最初の呼吸をした時間の方を使っています。 自然科学的な視点を占星術に持ち込むと、ネイタル占星術とホラリー占星術が別の分野のものに見えてしまいがちですが、これで同じものだということが分かります。 ■ 西洋占星術におけるホラリー占星術は、実は魔術であって、占星術では無い? ネイタル占星術とホラリー占星術を、占星術のジャンル以外で区別したい気持ちは、おそらくネイタルの方がより自然科学に近いものだという認識から来るものでしょう。 ※ 上記の本の日本語訳は、現在http://dx.doi.org/10.14989/173271から、PDFファイルの形でダウンロード可能です。京都産業大学教授の山本啓二・矢野道雄、両氏による日本語訳(2010年、京都大学イスラーム地域研究センター刊) 名指しこそしていませんが、それはホラリー占星術のことです。しかし、これがプトレマイオスの影響なのです。プトレマイオスは学者であり、西洋占星術占星術師ではありませんでした。その彼の本は後世ひじょうに有名になり、何人かの後世の占星家達は、プトレマイオスを偉大なる西洋占星術師だと勘違いさえもしています。彼がテトラビブロスという本の中で、ホラリー占星術を行っている占星家達を暗に批判している、という文言の影響が残ったのです。 それでも、「ホラリー占星術はまじないである」とは書かれていません。 占星術から足を踏み外す可能性があるとは書かれています。それが、イコールまじないであり魔術の類であるとは書かれていません。そう捉えようと思えば、そう捉えられますが、よしんば、アル・ビルニがホラリー占星術がまじないであると考えていたとしても、ホラリー占星術とネイタル占星術の差は、自然科学的なものではありませんから、両方とも西洋占星術なのです。 先に考察してきたように、自然発生学的な意味をネイタルにも付け加える事ができないのです。(ホラリーとネイタルの法則は、同じということはありません。細部では確かに異なっています) 「私は就職できますか?」という質問では、ネイタルのアセンダントのロードや月と、10ハウスのロードにアスペクトがなくても、そのネイタルが一生就職できないということはありません。ホラリーでは、アスペクトがなければ、よほどの特殊事情、例えばアンティッションで10ハウスのロードがアセンダントにジャストオンしているような場合で無い限り、今問題になっている就職はできません。 ホラリーは、質問の誕生時間という説明に苦慮する曖昧な「時」を使います。 ネイタルは誰が考えても納得できる誕生時間を使っています。 再度言いますが、これが本当に自然科学的でしょうか。 ネイタル占星術だけが占星術ではないでしょう。 ネイタルだけが自然科学的で、ホラリーと一線をかくしているとも決して言えません。なぜなら、ネイタルが自然科学の範疇に近いとすれば、DNA確定の時(受胎の瞬間)を使うはずです。それなのにネイタルは、何故、最初の呼吸の瞬間を誕生時間として認めているのでしょう? それは自然科学が認める、生命がこの世に生命を受けた瞬間ではないからですし、ネイタル占星術の方が、より自然科学に近い学問であるとするなら、遺伝学的なDNA確定の時よりも、呼吸の瞬間こそが自然科学的に認められる誕生時間であるという証明をしなければいけません。誰も、そんなことをしていません。 占星術が自然科学的なものならば、天文学的な新たな発見も充分考慮に値し、占星術に取り入れることができるでしょう。何故なら、宇宙の様々な要素は、魂を構成する要素になるかもしれないからです。 私達占星術愛好家は呼吸の瞬間を誕生時間として使っています。他の占いでも、誕生時間というと、こちらの方で受胎の瞬間ではないはずです。我々は、天文学的な発見を占星術に次々と入れ込む必要が無い立場にいます。とすれば、ホラリーという質問の誕生時間を使う占星術と、ネイタルという、人が産まれる時に最初にした呼吸の瞬間を使う占星術の差はそんなに無いことになります。 私たちの趣味にしている占星術というものは、どこか説明の付かない神秘的なものでありながら、その中にあって、魔術や呪術と、定義的にどこか異なっている部分を持つものです。定義されていないものを扱いながら、きっとどこかに占星術と、魔術や呪術との差があるだろうとも予期します。予期というより、感じていて、必要となった時に考えればいいだろうと。 ◆ ハウス占星術には、判断に多用するハウスという概念があります。ハウスには、物事を指し示す役割があります。惑星は主役、脇役を示します。今は、それらがどのようなものかを正確に述べないまま話を続けます。 ネイタル(誕生日のチャート)の判断では、その人がこの人生でどれだけ成長できるかが問題とされ、このテーマを外されたネイタルの判断は古代から価値が無いものとさえされました。つまり苦労をする大変なチャートの方が、苦難を乗り越える努力をするわけですから、良いと言えるのです。概して幸せですよ、というのは、苦労をしない、たいして精神的な成長を遂げられない無駄な人生だと言えるのです。真実性に関わる問題は、ネイタルでは第3ハウスと第9ハウスによって見つけられることになり、この対面する二つのハウスを真理の枢軸とも呼びます。 第9ハウスは旅のハウスです。そして占星術のハウスです。 太陽は宇宙の中で神の現前する可視のシンボルであり、それゆえ真理のシンボルにもなっています。このシンボルに当たるのが、占星術における、ナチュラル・ルーラーという考え方につながります。 よく知られている第3ハウスの意味は「短い旅行」=近い所への旅という意味です。これは私たちの行う日々の通勤と考えられていますが、それよりもはるかに広義の意味を含んでいます。この短い旅行という言葉で捉えられる概念は、日々繰り返す事柄、ルーチンワークです。更に、心の中で繰り返して考えること、思うこと、唱えることも含みます。その集大成が魂の次の行き先を決めてくれるのです。 祈りのハウスは第9ハウスと捉えられますが、繰り返す心の中の祈りは第3ハウスです。積み重ねたものが反対側の9ハウスに届くと観察します。この日々の繰り返しの行為、日々の礼拝など、心に積み重ねる行為こそ、ある種、人の性質も培っていきます。 私たちが知っていようといまいと、繰り返して心に刻みつける習性や性向は、第9ハウスで示されるどこへ辿り着くのかの生涯の巡礼地を決定する行為だと言えます。占星術は、このような概念も包含しています。 ● 心の実相と現実に付いて 占星術師として 占星術は何も他を占うだけのものではありません。一つの自己革新の技術の一つにもなります。例えば、占いを間違えたとします。間違わない占い師はいません。絶対に当たるなどとは言えませんし、間違えて始めて謙虚さが身に付きます。だからといって、間違いを推奨しているわけではありません。 身を持って体験した事柄はとても重要です。あなたが、他の考え方も同時に想起できない状況で体験してこそ深い体験となります。 ● 占いとは何か 占いの性質
ローマ国家での占いの心構えは、古代の占いの基本的特性、 それは、誰が考えても正しい行い、いかにも起こりうる予言が、神に助言を求めるという行いに対して応えられていたという事です。これが、古代の占いの態度を明確に示すものです。 これは、現代の占いの解釈とはまるっきり違っています。占いは今日、一般的に、未来を予告する手段とされています。神の意志を尋ねることと、未来を見通すことの違いが、古代と現代の占いに存在しています。占いが神の意志を尋ねるだけという解釈は、現代人にとって分かりにくいものです。 神聖な領域から、占星術を含む占いという分野を切り離そうとすることは、古事記を知る日本人にとって、神に対する信仰の全体的な低下を意味しています。「神との対話」の重要性を回復するには、本物の感受性と理性を必要とします。 西洋占星術の発展は、もちろん通ってきた地域や、その時代の文化的背景や、大きな思想的な趨勢を切り離して理解することはできません。占星術は、文化的な多くの変動の中を生き抜き発展してきたものです。占星術に影響を与えた数々の文化のうち、最も顕著なものは多神教です。それは天空の神々が神話として残されていることからハッキリとしています。これは、キリスト教的な一神教とは相容れません。神話の時代を経て、ソクラテス、プラトン、アリストテレスと続くギリシャの思想が沢山入り込んでいるはずなのです。多神教の神々は、思想的には不条理なものと変えられましたが、占星術の中には生き残っていきました。占星術の実践の中へ、未だに微妙にその影響を与えているでしょう。 ジェフリー・コーネリアスは、『占星術は、その古代の心構えの表示なのだ!』 そう述べています。 ● 占いの瞬間 古代の占いの実践で見過ごされてしまいそうな、信じて疑われない「占いの瞬間」とは、どのようなものだったのでしょう。 古代、いつどこで占いは行われたのでしょう? 何の為に、占い師・神官は出来事への兆しを必要としたのでしょう?
※ 出典 ジェフリー・コーネリアス 「The Moment of Astrology」 このような占いは、昔から普通、重要な出来事に伴って行われてきました。その点で、それらは同時発生的です。同時発生的とは、抽象化でも、理論上のことでもありません。兆しは何よりもまず、感覚的な人間的特質を通してもたらされます。コンピューターではなく、人間が持っている認識だけが頼りでした。 心の中に意味ありげに生じるものが何だとしても、展望を曇らせているものが何だとしても、現在心が向いていることの中で優位を占めている混沌とした状態が、予知の感覚的認識として無意識とストレートに結びつくことがよくあるものです。「意味のあることとは、ある人にとって、その人が、意味があることと知覚することです」。この当たり前すぎることが、認識できなくなることも実際問題としてあるわけです。誰に対しても、自分に対しても、正直にウソを付かずに生きることが如何に難しいことか。それができるなら、占いなんぞ必要ではありません。私達の多くは、ただ、あくせく日々を過ごしています。 混沌としてつかみどころが無くても、日々の生活が、占星学上の基礎元素(地水火風)の原理的体系に影響しないということはほとんどあり得ません。[それを前提としているのが西洋占星術ですが] つまり、質問内容を判断する時間は、この一定手順によってずれていくのです。占星術の適切な時宜は、そうやって瞬間を選ぶ必要性を悟っていったことでしょう。天が采配するのか、あるいは、自分自身が差配するのか、ゆっくりと考えてみて下さい。 基礎元素(エレメントの基)についての考察四つの元素(地火風水) 四大元素による区分のうち、火と風に属する宮は陽性で、積極的、外向的で、地と水に属する宮は陰性で、消極的、内向的です。それぞれの特徴は次のとおりです。 火の元素 火は明るさをもたらし、視界を広げます。熱と暖かさをもたらし、わたしたちを元気づけます。火は不可侵で神聖であると同時に、危険な野心です。このことによって、火は自己主張、自信、人生に対する旺盛な欲望を表します。 地の元素 わたしたちは地の上に立って生活しています。大地はぐらつかず、しっかりと私たちを受け止めてくれています。ここから、揺らがない物、基盤となります。したがって、地は信頼、実際的な考え方、物質を表します。 風の元素 風は空間を行き来し、目には見えません。天と地のあいだを満たす空気です。種子を運び、ことばや思想を伝えます。そこで、風は人間らしさ、言語、知性、それを用いた洞察力を表すものとされます。 水の元素 水は高いところから低いところへ流れる液体です。古代の水の概念は水道から出る水ではなく、行く手を遮る暴流に近いものです。多くの物を洗い流し、溶かし、育てます。水は人の持つ、流れるような感情、想像力、直観力を表します。 占星術の天球構造 西洋占星術は、天文学的な考察ばかりで成り立っているわけではありません。私達は占星術の天球が、地球中心でも構わないことをやがて学びます。 西洋占星術で使う天球構造 物はこれを活かす人に集まる 大宇宙の法則は、何故に物を活かす人に物が集まるのか。大切に使えば、その持ち主のために働きます。自らを改め、自分が変れば全てが変わってきます。自分を変える方法を、秘法のように考える必要はありません。ただただ、大自然の恵みにありがたく浴していればいいだけです。 この考え方では、自由意志が示されたり、示されなかったりします。 そこで、想定されるのは、外界を映し出す心の要素には、二つ、たとえば、心と魂があって、それが必要に応じて映し出されるのかもしれないという考え方も、直感的に意味を持ってくるのではないかと思います。でも、これは、実際に瞑想等で体感しないと言えない考え方です。説明の方法が今のところありません。 参考文献 TOPに戻る ホームに戻る 変遷 西洋占星術のこれから ちょっとだけ理論
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