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■ サインの使い方■ 私たちは、サインにその意味を期待し過ぎるきらい(傾向)があります。 黄道帯のサインは、惑星が入っていても、入っていなくても、その性質を充分に発揮します。特に、ネイタルの予測には多大な力を持っているのは事実です。しかし、本当に効果を発揮するのは、太陽の入っているサインではありません。アングルです。 例をあげます。ファーミカスは『マセシス』(4世紀)の中で下記のように述べます。 「アセンダントが牡羊のサインであるなら、MCに山羊のサインが見つかり、ディセンダントは天秤のサインで、IMCに蟹のサインがくる。私は、この状況が何を示すのかを、一般的なことで説明する。アセンダントが牡羊のサインであるなら、青年期の早い時代に、非常に大きな予言的な能力を持つ。これは、兄弟の可能性を否定する。又は、多くの兄弟の中から、その人だけが生き残る。また、ネイティブ自身の痛みや病から、徐々に体力の低下をきたす。彼の評判は、脅かされる。彼の父の継承財産は、一時分散するが、再び復元される。あるネイティブは、誰かにとっての後援者として存在するけれども、それは、彼の過度に寛大な心のためである。けれども、他の者にとっては、彼の気前の良さが嫌味に感じるのである。彼の援助は、恩知らずな受領者に与えられてしまうのである。彼にとっての人生上の経験は変化に富み、彼はたえず頭を悩ます問題と戦うのである。」 Matheseos Libri VIII (8冊のマセシス) Jean Rhys Bram訳より こう、あります。しかし、これは過去、星座とサインがそれほど離れていない時代に書かれた星座に基づく意味であることを考慮しなくてはいけません。 西暦が始まって700年までに書かれた全ての本で、サイン上の星座はとても大切にされました。デーカンと呼ばれる10度区切りのサインの区分の意味でも、その前景に広がる星座を元に組み立てられています。 レトリウス(6世紀〜7世紀)は、『Compendium(西洋占星術の概要)』の中で、バビロニア人テウクロス(2世紀の後半よりも前に生きていた)の書いたものを参照しながら、次のように書きます。同じ、牡羊のサインの例です。サインの一般的な記述に続いて、 「・・・昼のトリプリシティーは太陽であり、夜には木星、共通の[両方への]ものは土星であり、金星のデトリメントである。 そして、それは3つのデーカンを持っていて、以下の[星々]が始めのデーカンによって昇る。アテネ(座?)、くじら座のしっぽ、さんかく座、ランプを持つけんとう(犬頭)座、ドデカオロスたる、アイロウロス(Ailouros)の頭の真ん中が昇る。2番目のデーカンには、アンドロメダ座と、くじら座の真ん中にあるゴルゴンと、ペルセウスの剣、さんかく座の半分、ドデカオロスたる、アイロウロスの真ん中が昇る。3番目のデーカンは、彼女の玉座に座るカシオペイア、垂れ下がったペルセウスの頭、くじら座の頭、及び、さんかく座の最後の部分と、ドデカオロスたる、アイロウロスの尾が昇る。 これに加えて、最初のデーカンは火星の[影響下にあり]、2番目は太陽、3番目は金星の影響を運ぶ。・・ それが1番目のデーカンにあれば、活動的で、支配的である。彼の生まれた土地を見捨てるか解き放たれるかして、多くの陸と海を越えて、外国で賞賛され、一時の間向きを変えて、多くの事柄に傷つく。彼の父は決して安楽に死なず、彼の築いた財産は胡散霧消するであろう。彼は彼の兄弟を遠ざけるし、彼の肉体の秘密の場所は役に立たなくなる。2番目のデーカンの中にあるなら、豊かになり、悲しみと、損失と、所有物の回復などによって日々を暮らしていくであろう。3番目の[デーカン]にあるなら、[持つであろう]多くの骨折りを経験し、危険、又は、懲役にも関係する。そして、[それは]憎悪のために、彼ら自身の[国]を、若い時代に去り、年老いてから遅く戻るが、[そこから]再び離れ去る。大部分の彼らには、子供がいない。」 Rhetorius The Egyptian [Astrological Compendium] James H. Holden訳より これらは、明らかに見慣れない記述です。ドデカオロスというのは、10度ずつに区分した、というような意味です。サインの前景に広がる星座を重視していたことが分かります。そして、どう考えてもサインそのものの意味ではなく、恒星や星座(Constellation)の意味に違いありません。 今も昔も変わらないサインそのものの意味は、次のようなものに限定されます。同じく、テウクロスを参照したレトリウスのものです。 「サイン牡羊は男性格であり、トロピカル(カーディナル)であり、春、昼と夜は等しく、有害で、四足動物であり乾いた陸地に住み、ロイヤル[立派]、不妊、簡単に変わり(Moveable)、短気で、明るく燃え盛り、宇宙のMCであり、増大するもの、雄弁で、常識外れで、火の性質であり、[書物などを]台無しにする、肉質で、弱視であり、盲従し、半声であり? 手に負えず、指令者、南東に向かって見ている。[そこは]火星のドミサイルとなる所、太陽が19度近くでイグザルテーションとなり、21度の近くで土星のフォールである。・・・」 サインそのものに依存せず、恒星と星座に頼っていることが伺えます。 現代、恒星と星座の研究はなされているでしょうか? 現在の太陽星座占いは、サインを主に使っています。しかし、それは星座や恒星に依存していません。おそらく、大きな期待がサインに込められてしまった結果です。 西洋占星術は、サインの前景に広がる星座や恒星に目を向けるものです。 黄道帯十二サインは、ある特定の時間で、世界共通の惑星の位置決定要因となっています。そこにある太陽を含めた惑星に依存してしまえば、世界中で同じ性質の人が同時に生まれることになります。テウクロスの言うように、アングルだけに頼れば、そうはなりません。 サインは占星学を成り立たせている構成要素として大事です。 ハウスは星占いを行う上での、地域と場所に基づく個別要因を引き出します。 サインにウェイトを置けば、世界共通の事柄が導き出されてしまいます。 サインが無ければ、もちろん占星術は成り立ちません。 判断は、場所によって異なるハウスが従えるサインのルーラーを使います。 全てのどんなジャンルの占星術でも、最も重要な惑星の使い方は、ハウスのカスプのルーラーとなったものを使うことです。これが第一義です。ナチュラル・ルーラーを用いる場合は少なく、サインを利用する機会はもっと少ないものです。 2016年10月21日(月曜日)星占い、ホラリー西洋占星術 カルディアン・オーダー 星占い ホラリー西洋占星術 項目トップ この読み物のトップ リンク ホームページへ戻る ------------------------------------------------ |
日本の西洋占星術が大転換する時期に |